自賠責非該当を訴訟により14級認定させ、過失相殺分も人身傷害保険利用により賠償額満額取得した事案
事故態様 | 直進中、進路変更してきた車両と衝突 |
---|---|
事例の特徴 | 直進中、進路変更してきた車両と衝突 |
属性 | 女性、30代、契約社員 |
症例・ 受傷部位 | 頚部捻挫、腰部捻挫 |
後遺障害等級 ・死亡事故 | 自賠責非該当→訴訟により14級 |
主な 損害項目 | 受任前 | 受任後 |
---|---|---|
休業損害 | 提示なし | 約30万円 |
傷害慰謝料 | 約90万円 | |
逸失利益 | 約50万円 | |
後遺障害 慰謝料 | 110万円 | |
既払い金を除く支払額 | 約280万円 | |
治療費等を含む 賠償総額 | 約340万円 |
- 交通事故の状況
- 直進中、進路変更してきた車両と衝突
- ご依頼内容
- 相手が任意保険に入っていないので、対応に困っている。
- 対応内容と成果
- (事故後の対応)
相手が任意保険に入っていたかったため、お怪我の治療についてはご自身で自賠責被害者請求で対応。
約半年で症状固定とし、後遺障害等級認定を求めて自賠責保険に対して被害者請求するも、自賠責非該当。
(訴訟までの弁護士の対応)
①一定の過失相殺は免れない事故態様であったこと
②治療実績、MRI画像所見、神経学的異常所見、事故後の就労状況の変化、事故態様、既往歴を精査したところ、訴訟により神経症状で14級の後遺障害等級の認定を目指せる事案であったこと
③相手が無保険であることから、ご依頼者の人身傷害保険を利用して後遺障害部分も含めた損害賠償の満額を獲得すべく、示談交渉ではなく訴訟を選択した。
(訴訟の結果)
訴訟において
①実況見分調書や車両損傷個所の内容を隈なく指摘し、当方に有利な過失割合を主張し相手の主張する過失割合を排除した。
②後遺障害残存性について工夫を凝らした主張立証を展開したところ、裁判所も14級を認定できるとの心証開示となった。
結局、当方の主張する後遺障害等級に基づいた損害額に限りなく近い金額での和解となった。
(訴訟後の対応)
ご依頼者加入の人身傷害保険に対して、裁判所認定の総損害額から既払金を差し引いた金額を請求し、結果として後遺障害部分も含めた全損害額(過失相殺された部分も含めて)の賠償金を獲得することに成功。
- 総括・コメント
- 事故の相手が任意保険に加入していない場合や、過失相殺が見込まれる場合はご依頼者が加入している自動車保険の人身傷害保険の検討は必須となります。
他にも自動車保険加入時にはあまり意識されていない方が多いですが、ご自身の加入されている保険には様々な特約が付いていることがあります。代車費用やレッカー費用についての特約など、人損だけでなく物損でもこれらの特約があったおかげでスムーズに解決できることもあります。本件では、人身傷害保険にも加入があったため、訴訟提起を行ったうえで、過失相殺された部分も含めて賠償金の獲得ができました。
人身傷害保険特約は、どのような場合にいくら支払いがなされるかなどは、加入されている保険の約款によって規定されています。
そのため、ご自身の加入されている特約をどのように利用するのが良いか、具体的場面に応じた対応が必要となりますので、よく検討した上で方針を決める必要があります。そして、人身傷害保険を最大限に活用するためには、訴訟提起が必須というケースも存します。
本件も相手が無保険であったことや、過失相殺自体は不可避であったことから、弁護士基準での賠償金の獲得のための提訴は必須と判断し対応しました。また、訴訟による後遺障害等級の獲得は一般に困難といわれておりますが、丁寧に主張立証を展開することで裁判所が自賠責非該当の判断とは異なり、14級を認めるという結果に繋がりました。