将来の逸失利益で相手保険会社と争いとなるも、最終的に400万から1,300万円への増額を認めさせた事案

弁護士サポート受けて3.2倍に増額
弁護士サポート受けて3.2倍に増額
事故態様バイク運転中、脇見運転した3輪自動車と接触し、転倒した。
事例の特徴男性のまぶたの外貌醜状の後遺障害(9級)が残ったものの、男性かつ現場作業員ということから、まぶたの醜状痕跡が将来の収入を減少させる可能性はないとして、保険会社はその逸失利益性を否定してきていた。
属性男性、30代、正社員(現場作業員)
症例・
受傷部位
舟状骨骨折、顔面醜状
後遺障害等級
・死亡事故
舟状骨骨折(12級)、顔面醜状(9級)により後遺障害8級
主な
損害項目
保険会社の主張額受任後
治療費約280万円約280万円
交通費約3万円約3万円
休業損害170円約170万円
通院慰謝料
約194万円約194万円
後遺障害逸失利益
約500万円約1400万円
後遺障害慰謝料
約830万円約830万円
治療費等を含む
賠償総額
約1975万円約2875万円
過失相殺
約290万円(15%)約287万円(10%)
既払い金を除く支払額
約400万円約1300万円
交通事故の状況
依頼者がバイクの運転中に、わき見運転をしていた3輪自動車との接触事故。
ご依頼内容
保険会社の対応が悪く不安を感じられた相談者から、事故当初からご依頼。 
対応内容と成果
(成果)
保険会社主張額の約3.2倍に増額。

(後遺障害について)
舟状骨骨折(12級)と顔面醜状(9級)の併合8級の後遺障害の認定がされた方でした。

(保険会社の主張)
保険会社は、男性のまぶたの外貌醜状の後遺障害では、男性かつ現場作業員であることを理由に、収入の減少はありえないとして、その逸失利益性を否定してきました。
そして、舟状骨骨折(12級)については、労働能力喪失表に従った労働能力喪失率14パーセントを認めるが、収入減が続く期間としては、症状固定後10年間しか認めず結果500万円程度逸失利益の金額を主張してきました。

(弁護士の主張)
①舟状骨骨折(12級)について
まず、舟状骨骨折(12級)については神経症状ではなく、器質的機能的損傷による後遺障害であって、両手による巧緻作業の多いご依頼者からすると、10年の期間は到底承服できるものではありませんでした。
そこで、賠償法学上、就労可能な年齢とされている上限である67歳までの期間で計算し、逸失利益約900万円で請求しました。

②外貌醜状(9級)について
問題は,外貌醜状9級の後遺障害認定の事実を、いかに本件の後遺障害逸失利益(または後遺障害慰謝料)に反映させるかでした。この点、男子であり、現場作業員であることから、訴訟となれば、業務に対する影響は存せず0円計算とされるリスクもあります。
もっとも、その場合でも、後遺障害慰謝料の加算事由として100~200万円程度増額するといった判例傾向をも踏まえると,①の900万円に200万円増額した1100万円で交渉する方法を考えられました。

③示談交渉の結果
交渉は難航しましたが、最終的に、舟状骨骨折(12級)の労働能力喪失率12級の14%に6%の労働能力喪失を加えた20%の喪失率で,67歳までの喪失期間で計算することで合意できました。
金額にすると約1400万円となり、当初の保険会社の500万円の主張からすると、大幅な増額となりました。
総括・コメント

外貌醜状については、醜状障害による労働能力の喪失の有無すなわち労働能力に直接的な影響を及ぼすかどうかという基準で判断されると考えられる裁判例が多くあります。具体的には、醜状痕の存在のために配置を転換させられたり、転職、減収といった不利益が現実に発生しているような場合や、容姿が重要な要素の職業である場合などです。そのため、訴訟提起を行うべきか交渉で解決すべきか、慎重な判断が必要になります。

男子で外貌醜状が絡む場合の損害賠償額の算定は、過去の裁判例を見ても女子との差をどの程度設けるのかも含めて、争いになりやすいです。
本件は、外貌醜状の後遺障害逸失利益性ではなく、後遺障害慰謝料を増額するという方針も考えられました。しかし、ご依頼者にとって有利な方針を選択することにこだわった結果、結果として、外貌醜状部分で500万円相当の逸失利益を獲得する事ができました。


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