交通事故解決の流れ
交通事故被害者の多くは、保険会社との示談交渉は初めての経験になることでしょう。
このため、交通事故に遭ってから最終的な解決までどのように手続が進むか不安になる方もよくいらっしゃいます。
そこで、交通事故に遭ってから解決までの手続の流れについて解説します。
Contents
[1] 交通事故に遭った直後-警察への報告
交通事故に遭った直後には、警察に報告することが必要です。交通事故による被害を受けた場合、まずは冷静に対処することが大切です。
交通事故現場では、怪我をしたり、車両が故障したりすることがあります。そのため、まずは自分自身の安全を確保し、必要があれば救急車を呼ぶことも必要です。その後、警察に報告をすることが重要な手続きの一つです。
警察が現場に来て事故の状況を確認し、実況見分調書にまとめます。この実況見分調書は、交通事故証明書を作成するために必要となります。
交通事故証明書は、後に加害者に対して損害賠償請求をする際に必要となる重要な書類です。
交通事故証明書には、交通事故発生時の状況や被害者の状態など、詳細な情報が記載されています。そのため、この書類がなければ、加害者に対して損害賠償を請求することができなくなるリスクがあります。
交通事故に遭った直後は、被害者側も注意が必要です。目立った怪我がなければその場でいくらかお金を貰い、終わらせてしまうことがあります。しかし、交通事故の代表的な症状であるむち打ち症は外傷がないため、交通事故の直後には気が付かず、後からむち打ち症であることが判明することもあります。そのため、交通事故に遭った直後には、必ず病院で診察を受けることが重要です。
警察への報告を怠ると、交通事故時の状況を客観的に証明することができず、また加害者の情報もわからなくなることがあります。交通事故の被害に遭った場合、損害賠償を請求するためには、適切な証拠が必要となります。
そのため、警察に報告をすることで、客観的な証拠を得ることができるため、後々のトラブルを回避することができます。交通事故に遭った場合は、警察に報告し、適切な手続きを行うことが大切です。
[2] 通院・入院の開始
交通事故に遭った場合、通院・入院開始時に限らず、外傷がなくてもむち打ち症などの症状がある場合は速やかに病院を受診する必要があります。交通事故で怪我をした場合は、受診までの日数が経過すると、加害者側から事故と怪我の因果関係を争われる可能性があります。
このため、事故発生後はできるだけ早く病院を受診することが重要です。
また、通院先として整骨院を選択することもありますが、相手の保険会社から損害賠償を受け取りたい場合は、整形外科の医師に診察してもらう必要があります。
保険会社が治療費の支払いに難色を示すことがあるため、整骨院での治療には注意が必要です。
さらに、交通事故によっては、むち打ち症状が現れることがあります。むち打ち症状は外傷がないため、事故直後には気づかないことがあります。
このため、交通事故に遭った直後には病院で診察を受けることが重要です。事故後、病院への受診が遅れてしまうと、加害者側から事故と怪我の因果関係を争われる可能性があります。
病院の選択も重要です。整骨院での治療は保険会社が治療費の支払いに難色を示すことが多いため、相手の保険会社から確実に損害賠償を受け取りたい場合は、整形外科の医師に診察してもらう必要があります。整形外科の医師に診察してもらうことで、的確な診断と治療を受けることができます。
以上のことから、交通事故に遭った場合は、事故発生後できるだけ早く病院を受診し、整形外科の医師に診察してもらうことが重要です。また、治療先は整骨院に限らず、保険会社が治療費の支払いに難色を示すことがあるため、整形外科の医師に診察してもらうことをおすすめします。
[3] 症状固定-後遺障害認定
後遺障害認定交通事故によって怪我を負った場合、病院での治療を受けて完治するケースと、後遺障害が残るケースの2つのパターンがあります。
交通事故で怪我を負った場合、治療が終わっても完治しない場合があります。この場合、医師が「症状固定」という診断を行い、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。
医師は、これ以上治療を継続しても怪我が改善しないと判断した場合、症状固定を宣言します。交通事故によって後遺障害が残ることが確定するのが症状固定の診断です。
症状固定の診断があった場合には、加害者側に対して後遺障害に関する慰謝料や労働能力を失った分に相当する逸失利益を上乗せで請求できます。
また、症状固定によって後遺障害の損害賠償額が具体的に算出できるようになります。このため、示談交渉は症状固定後に本格的に開始されます。
症状固定後に示談交渉を行うことで、後遺障害の損害額が明確になり、慰謝料や逸失利益をより適切に請求することができます。
交通事故に遭った場合、治療を継続しなければならない状態にある場合、症状固定が早期に行われることが望ましいです。症状固定が遅れると、加害者側から事故と怪我の因果関係を争われる可能性があります。
したがって、交通事故に遭った場合は、治療を受ける際に病院の医師に症状固定について確認することをおすすめします。
症状固定によって後遺障害の損害賠償額が具体的に算出できるようになると、後遺障害等級認定を受けることができます。
後遺障害等級とは、交通事故による後遺障害の症状や程度によって、後遺障害を14段階に分けたものです。後遺障害等級認定は、医師から後遺障害診断書等を作成してもらい、これを損害保険料率算出機構に提出して認定を受ける流れとなります。
後遺障害等級が重いほど被害者が受け取ることのできる損害賠償額が増えるので、どの等級に認定されるかが非常に重要です。交通事故に強い弁護士であればどのような診断書を貰えば良いか助言してもらえますので、事前に相談することをおすすめします。
加害者に対する損害賠償請求は、症状固定後に行われます。交通事故の被害者が弁護士に対応を依頼している場合、弁護士は裁判で認められるべき損害賠償額に近い金額を受け取れるよう、法的な主張も交えながら慎重に交渉を進めます。
多くのケースで被害者本人が直接保険会社と交渉するよりも弁護士が交渉した方が損害賠償額の増額が可能となっています。
特に、後遺障害が残る場合には本人が示談交渉をする場合と弁護士が示談交渉をする場合とで、2~3倍もの金額の開きが生じることがあります。
保険会社は、被害者本人が示談交渉をする場合と弁護士が対応する場合にそれぞれ異なる基準で示談交渉を行っているため、弁護士を立てることが望ましいです。
以上のことから、交通事故に遭った場合は、治療を継続する際に症状固定について確認し、症状固定後に示談交渉を行うことが重要です。
交通事故に強い弁護士を選ぶことで、正確な診断書を取得し、より適切な慰謝料や逸失利益の請求が可能となります。
後遺障害等級認定
「後遺障害等級」とは、交通事故による後遺障害の症状や程度に応じて、後遺障害を14段階に分類したものです。交通事故で負傷した人が後遺障害等級認定を受けることにより、その負傷に伴う障害の程度が明確になり、それに基づいて損害賠償額が決定されます。
後遺障害等級認定は、医師から後遺障害診断書等を作成してもらい、これを損害保険料率算出機構に提出して認定を受ける流れとなります。後遺障害等級は、1級が最も重く、14級が最も軽いという仕組みになっています。後遺障害等級が重いほど、被害者が受け取ることのできる損害賠償額が増えるため、どの等級に認定されるかが非常に重要です。
後遺障害等級認定では、医師の診断書がポイントとなります。交通事故に強い弁護士であれば、どのような診断書を取得したらよいかアドバイスしてくれるので、事前に相談することをおすすめします。ただし、後遺障害等級認定には、診断書だけではなく、被害者の状況や治療歴などの情報も重要です。そのため、交通事故に遭った場合は、病院での治療を受ける必要があります。
また、後遺障害等級認定が重要である理由は、認定された等級によって損害賠償額が決まるからです。交通事故で負傷した場合、治療費や通院費などの直接的な損害だけでなく、後遺障害による精神的な苦痛や生活上の制限によって、被害者の人生に大きな影響を及ぼすことがあります。そのため、後遺障害等級認定を受けることで、被害者が受け取ることのできる損害賠償額が増えることに繋がります。
交通事故に遭った場合、治療を継続する際には、後遺障害等級認定についても考慮することが必要です。交通事故に強い弁護士に相談することで、診断書の取得から後遺障害等級認定まで、スムーズな手続きを行うことができます。被害者が適切な損害賠償を受け取るためには、交通事故についての知識や情報収集が必要です。
[4] 加害者に対する損害賠償請求
交通事故に遭った場合、怪我が完治するか症状が固定された後、被害者は加害者側に対して損害賠償請求を行います。この際、交通事故の損害賠償については、まず示談交渉が行われます。
交通事故の被害者が弁護士に対応を依頼している場合、弁護士は、裁判で認められるべき損害賠償額に近い金額を受け取れるよう、法的な主張も交えながら慎重に交渉を進めます。多くのケースで、被害者本人が直接保険会社と交渉するよりも、弁護士が交渉した方が損害賠償額の増額が可能となっています。
特に、交通事故によって後遺障害が残る場合には、本人が示談交渉をする場合と弁護士が示談交渉をする場合とで、2〜3倍もの金額の開きが生じることがあります。
後遺障害等級認定は、医師から後遺障害診断書等を作成してもらい、これを損害保険料率算出機構に提出して認定を受ける流れとなります。
後遺障害等級が重いほど被害者が受け取ることのできる損害賠償額が増えるため、どの等級に認定されるかが非常に重要です。
交通事故に強い弁護士であれば、どのような診断書を取得したら良いかアドバイスしてくれますので、事前に相談することをおすすめします。
保険会社が被害者本人が示談交渉をする場合に提示する損害賠償額の基準と、弁護士が対応する場合に提示する基準を使い分けているため、後遺障害等級が高い場合には、弁護士を立てることが望ましいです。
保険会社は、弁護士が対応をしている場合には、示談交渉が決裂したらすぐに裁判を起こされることを理解しています。
このため、被害者が弁護士を立てている場合には、裁判で認められる損害賠償額に近い金額で示談交渉に応じる傾向にあります。
以上のことから、交通事故に遭った場合は、治療を継続する際に症状固定について確認し、症状固定後に示談交渉を行うことが重要です。
交通事故に強い弁護士を選ぶことで、正確な診断書を取得し、より適切な慰謝料や逸失利益の請求が可能となります。
また、後遺障害等級認定についても考慮することが必要です。被害者が適切な損害賠償を受け取るためには、交通事故についての知識や情報収集が必要です。